変形性股関節症(手術をしたくない方へ)

股関節が痛くて痛み止めがないと我慢ができなかったり、病院で手術を勧められていたり、そんな股関節痛にお悩みの方は多くいらっしゃいます。

 

股関節痛のほとんどが『変形性股関節症』という、股関節にある軟骨がすり減ることで、関節炎(痛み)を引き起こし、関節が変形して壊れていく病気とされます。

 

「軟骨がすり減る」というフレーズをよく聞きますが、「加齢のせいだよ、だからもう治らないよ」と言われているようで、先行きが見えない暗い気持ちにもなります。

 

実際、変形性股関節症は症状の進行具合によって、いずれ手術へと移行することも多いものです。

 

手術前の治療のことを保存療法と言いますが、これにはストレッチなどの運動療法、温熱・低周波療法、そして消炎鎮痛剤を服用する薬物療法があります。しかしこれらはあくまで現状の保存を目的としているもので、治癒につながるわけではありません。

 

ストレッチや温熱療法を地道に続けて少しでも楽になればいいですが、それでもいつまたあの痛みがぶり返すか分からないなら、不安はいつまでも付きまとうことでしょう。

 

何より常に痛みがあるというのは、非常にストレスフルなことと思います。

 

股関節痛の原因は赤ちゃんの時に起こった脱臼?

『発育性股関節形成不全』という病名をご存知でしょうか。

 

赤ちゃんの時に股関節を脱臼してしまって股関節が不安定な状態を指します。

 

軽度であれば赤ちゃんが痛がることもなく歩き方にも大きな異常はみられないため、気付かないまま成長する人も多いそうで、日本人の股関節痛のおよそ80%がこの股関節の形成不全によると言われています。

 

さて、赤ちゃんの時に脱臼があったとして、そのまま成長したとして、確かに足の開き方が左右で異なる事実があったとしても、後遺症として痛みを一生持ち続けなくてはならないのでしょうか。

 

この股関節でこれまで生活してこれたのに、赤ちゃんの時の小さな事故が、加齢とともにいずれ手術を要するような病気を作ってしまうのでしょうか。

 

決してそんなことはありません。なぜなら股関節痛は後天的な原因によって痛みを増長させるからです。

 

薬も手術もなしで股関節痛を解消するには、その股関節痛を作っている、または増長させている原因の元を断つしかありません。


股関節痛の後天的原因

「股関節が酷く痛んで、痛み止めなしでは生活できない」

 

Sさんがそんな悩みを抱えて施術を受けられたのは8月のことです。

 

 症状を聞くと、右の股関節と右の太もも辺りが痛くて病院に行ったが特に改善の兆しはなく、この1年、痛み止めを毎日飲み続けているとのことでした。

 

「薬を飲み続けるのは良くないって分かっているのだけど、痛くて仕事ができないから…」

 

早朝から夕方まで、1日立ち仕事をされているのです。

 

Sさんの右股関節は、まるでコルセットを装着しているかのようでした。つまり骨盤から股関節、鼠径部、太ももまで、まるで一つの塊のように張って固まった状態です。

 

Sさんの股関節が1年も毎日薬を飲み続けるほど痛む原因はどこにあったのでしょう。

 

結果から言いますと、一番の原因は右の腎臓の炎症でした。同時に腸と腹動脈の癒着がきつくありました。

 

右の腎臓に触れると「あ、それが痛い。いつも痛いところに響く」とご自分の身体の状態を痛みを通して認識されました。

 

内臓と股関節痛の関係

股関節の痛みになぜ腎臓が関係するのか、不思議に思われる方もいらっしゃるでしょうか。

      

Sさんの場合は特に右の腎臓が非常に硬く委縮したような状態でした。その腎臓の炎症が飛び火して大腰筋や腸の炎症を引き起こし、またおなかの真ん中を通る腹動脈が炎症で腫れた内臓に押されて血液の流れを阻害している状態でした。

 

つまり、多くの炎症で硬くなってしまった内臓の影響で、血液循環が滞ってしまっているおなかでした。(実際Sさんのおなかは触るととても冷たかったです)

 

おなかが血行不良になった状態では、おなかから繋がる股関節や太ももはもっと血行不良の状態を強いられます。硬くなった筋肉は可動域を狭め、その狭まった状態で筋肉が固まってしまい、まるでコルセットを装着したような状態を作ってしまっていたのです。

 

腎臓、腸の炎症 → おなかの血行不良 → 骨盤、股関節の血行不良 → 股関節周りの筋肉の強張り → 股関節、太ももの痛み

 

こうした因果関係です。

 

とにかくまず股関節の痛みを解消するためにわごいちの施術で行なったことは、

①右腎臓の炎症を取る

②股関節周辺、鼠径部の癒着をはがす

③腹動脈を通す

主にこの3つです。

 

腸の癒着はがしも並行して行いました。

      

鼠径部の施術をした時、Sさんご自身で鼠径部から足全体に血液の流れる温かさを実感され、とても驚かれていました。また「これだけ詰まっていたのですね」と血行不良を自覚された瞬間でもありました。

         

痛みと痛み止めとの付き合い方

2回目の施術後、少し痛み止めを飲む回数が減ったとおっしゃいましたが、それでもまだ毎日2回は飲む状態。それまでどれだけの量の薬を服用しながら毎日を過ごしていらっしゃったのかが伺えます。

 

「以前より痛みは全体にマシだけど、仕事中にあの痛みがまた出たらと思うと薬をやめるのが怖い」

      

その心中もお察しします。ご本人が「でも本当は止めたい」という意思を示されていましたから、無理をし過ぎずだけども痛みを観察できる状態に導くため、相談しながら仕事がお休みの日は様子を見て薬をやめてみることから始めました。

 

余談になりますが「痛みはいわば治療の始まり」と私たちは考えています。

 

痛みがあるから体は治そうとその治癒力を発揮します。痛み止めで痛みを抑えてしまったら、治癒の信号を身体は出すことができなくなってしまい、結果、ずっと炎症を持ったままどんどん悪化していくことになりかねません。

 

しかしだからといって、我慢し過ぎるのは禁物です。専門家と相談しながら薬を減らしていけるよう、計画的に進めるようにしてください。

 

一週間、薬なしで過ごせました!

話は逸れましたが、Sさんのその後に戻ります。

 

3回目の施術後、一日だけ平日に薬を飲まずに過ごせたと報告があり、5回目の施術後、「今日、施術に来るまでの一週間、薬なしで痛みもなく過ごせました!本当に嬉しい」そんなご報告を聞くことができました。

 

この報告には続きがあって、「その一週間前も実は薬なしでいけたんですが、一日だけ痛い日があって、薬を飲もうと思っていたらタイミングを逃してそのまま夜になったからもう飲まないまま我慢できました」とのことでした。

 

実質、二週間、薬なし生活。

 

ずっと痛みに耐え、薬を飲まずにはいられない方にとって、薬を飲まずに痛みなく快適に日々を過ごせるというのは、本当に解放された気持ちになることでしょう。

 

「本当に嬉しい」

そう何度もおっしゃっていました。

 

Sさんの症状、体質、そして生活に見合った腎臓に負担のかからない生活改善法もお伝えし、今後痛みがぶり返さない身体に変えていきます。


薬も手術もなしで股関節痛を解消したい方へ

症状は股関節痛と太ももの痛み、しかしその痛みの元は腎臓の炎症とおなかの中の血流の悪さ。

 

原因の元を解決しなくては、また痛みは継続的に出てきますし、薬やいずれは手術に頼るほかありません。「薬を飲まない」のではなく、「薬を飲まなくても大丈夫な身体」に変えていくことが、本当の改善であり、本当の健康であると私たちは考えています。

 

例え『発育性股関節形成不全』だと病院で診断され、痛みを薬や手術で緩和するしかないと諦めている皆さんは、是非一度わごいちの施術を試してみてください。

 

もちろん『発育性股関節形成不全』ではなくても、特にはっきりとした診断が出ないままただ痛みが酷くなっていくという方も、わごいちを頼っていただきたいと思います。

 

痛みの元を断ち、今ある症状をできる限り短期で改善するお力にならせていただきます。

 

 

井上紙鳶