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わごいちの作り方⑪健康教室の失敗から学ぶ「一流のコツ」

思えばいろいろな失敗を繰り返してきたものです。私が整体院を開業して一年くらいたったころでしょうか、たんりき倶楽部という健康教室を作りました。外部から講師を連れてきて、「ヨガ」「インド舞踊」「ゴスペル」の教室を開講しました。これは整体を受けるだけでなく、自分自身で身体を動かして健康を作って欲しい。楽しく続けられて身体によいものをと思案を重ねた教室でした。

 

 結果から言えば、これらの教室はすべて失敗に終わりました。ヨガもインド舞踊もゴスペルもそれ自体はとても良いものでしたが、なにせ生徒さんが続かない。すぐにやめてしまうのです。

 

 なぜ生徒さんが続かないんだろう、と私はそれぞれの教室の先生たちと話し合いました。時には踏み込んで話をしました。でも状況は一向に好転せず、いくら生徒さんを紹介しても皆さんやめていくのです。なぜだろう、なぜだろうと考えました。話を重ねました。そうして苦しんでいる中で段々と私は大きな学びを得たのです。それは一流のプロになるコツでした。

 

 世の中にはたくさんの「プロ」がいます。みんな自分なりに頑張っているのですが、続けているとだんだんと実力に差が出てきます。一流になる人となれない人が出てきます。そこにどんな違いがあるのか。元々の才能の違いでしょうか。いえいえ、決してそれだけではないという事が分かったのです。

 

 一流になれない人には決定的な特徴があります。それは「言い訳が上手」ということです。生徒が続かないのは「たまたまその生徒さんが今忙しいから」。お店がはやらないのは「立地が悪いから」。今日お客さんが少なかったのは「雨が降ったから」。一流になれない人は大なり小なりそんな言い訳をして自分も周りも傷付かないように配慮?するのが上手です。しかし一流のプロは雨が降っても立地が悪くても、お客さんが続かなければ自分のやり方が足りないと考えます。そして即座に改善策や自己研鑽を実行するものです。

 

 健康教室で嫌と言うほど苦労して、話し合って喧嘩もして、大変ではありましたが、この「一流のコツ」を学び得たのはとても幸運でした。その教訓はわごいち徒弟制の中でずっと活かされています。また教室が全く無駄であったかと言えばそうではありません。人に頼れないなら自分で教えるしかないと覚悟が決まり、それがのちのちの「姿勢教室」「呼吸・発声教室」「おなかウォーク教室」などへとつながっていくのです。またつぶれかけたゴスペル教室は我が妻が講師を引き継ぎ、見事に立て直し、いまや全国でも屈指と言えるほどの一大ゴスペル団体に成長したのですから、なにがどうつながっていくかわかりませんね。(つづく)

 

 

三宅弘晃