院長の三宅です。今日は背中のハリについて説明します。
わごいちにはしばしば「背中のハリが気になる」という人がやってきます。ご本人が訴える場合もあるし、旦那さんが「なんだか最近背中がはるんだなあ」と言うのを心配した奥さんが連れてくる場合もあります。
ただ一般的に背中のハリは軽視されがちです。
整形外科に行ってレントゲンを撮って「肋骨に異常はありませんからしばらく様子をみてください」と言わます。あるいは湿布や痛み止めが処方されるかもしれません。
マッサージや整体に行っても「筋肉が張って硬くなっていますね」と揉んでくれますが、その時スッと気持ちいいだけで、またすぐにハリがぶり返します。
そしてご本人も「まあ大きな病気じゃないのならいいか」と半ばあきらめて放置してしまいがちです。
しかし、背中のハリは決して侮ってはいけないのですね。
皆さんは「沈黙の臓器」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。腎臓、肝臓、すい臓、脾臓などを合わせてそう言います。
なぜ「沈黙」なのかと言えば、病院で色々検査をしても異常が見つかりにくいからです。異常があるのに黙っているので「沈黙の臓器」と呼ばれているのです。
しかしこれは大きな間違いなのです。沈黙の臓器たちは決して沈黙しているわけではありません。ちゃんと「異常があるよ」と訴えています。
その一つが「背中のハリ(や痛み)」なのです。
もしあなたが慢性的に、時々でも何か月も背中にハリや痛み、違和感をもっているなら、この沈黙の臓器たちの静かな悲鳴かもしれません。
だいたい「日常的に背中にハリを感じる」という10人の人のうち、8人くらいは内臓の異常を抱えています。それがわごいち20年以上の臨床経験での実感です。
この(本当は沈黙していないけれど)沈黙の臓器たちは、我慢強い分、一旦壊れてしまうと大事になります。ひどい場合には腎不全、肝硬変、胃がん、肝がんなどの手前であることもなくはありません。
体調不良の中には、「そんなに強い痛みを感じないけれど、実は大きな病気のサインかのもしれない」という不調がいくつかあります。背中のハリ、痛み、違和感はその典型例と言えます。
ですからわごいちではずっと「背中のハリ」について皆さんに注意を促し続けているのです。
三宅弘晃