オカムラ農産さん「合鴨農法」の田んぼへ!!

滋賀県甲賀市水口のオカムラ農産さんへ

念願叶った「おなかの学校」企画

こんにちは。池田です。

 

6/4、晴れ。

 

長らくのお付き合いとなるオカムラ農産さんへいざ参る!!(甲賀だけに忍者口調で)

 

宇川に近づくほど田んぼが広がります
宇川に近づくほど田んぼが広がります

10年ほど前に同じく水口出身であるわごいち女将さんのお母様から紹介をいただき、私たちの賄にはじまり、「わごいちの台所」でも取り扱いさせてもらっている玄米を作っておられる農家さんです。

 

 

自分たちの食べるお米がどんな農法で、そしてどんな想いで作られているのか…

 

 

街の中に住んでいると自分の目で見て知る機会はそうあるもんではないなぁ、と思います。

 

あるとき、オカムラ農産さんへお米の注文をする際に「今度、アイガモが田んぼにやって来る頃に見学に行かせてもらえませんか?」と三宅先生が申し出られました。

 

 

すると・・・

 

「どうぞどうぞいつでも来てください!」

 

と、快く返事を返してくださった岡村社長。おなかの学校での企画が立ち上がりました。

少し早めに現地入りして打ち合わせです
少し早めに現地入りして打ち合わせです

まずはオカムラ社長のお話を

「今日はよろしくお願いしま~す!」
「今日はよろしくお願いしま~す!」

しばらくすると参加者の皆さんが到着ーーー!!

 

(実はオカムラ農産さんへお伺いする直前、車で10分ほどの距離にある「美冨久酒造」さんでランチタイムでした♪)

 

 

ご挨拶をし、まずは社長である岡村久悦さんのお話を伺います。

 

「親父の70a(70アール=7,000平米)の田んぼを継いで、学校卒業と同時に農業を始めました」と岡村社長。

 

"親父がそうだったから自分も農家になっただけ"、そこから合鴨農法を始めるに至った経緯をお話してくださいました。

 

「こんなに真剣にキラキラした目で見られると緊張しますわ‥」

 

と岡村社長。 

「まだ35回しかお米作ってない!未熟者ですわ」と言われます
「まだ35回しかお米作ってない!未熟者ですわ」と言われます

無農薬でのお米作りは、1977年に琵琶湖でアカコ(淡水赤潮)が大量発生したことがキッカケであったそうです。

その時にリンを含む合成洗剤の使用を止め石鹸洗剤を使用するという県民運動も起こったとのこと。

 

琵琶湖アカコ問題の原因の一つとして農業排水も関係していたため、農家として何か出来ないかと無農薬でのお米づくりを始められました。

 

農薬を使わないということは稲以外の様々な雑草が田んぼの中で生え放題となります。お米の生育を邪魔して収量も減ってしまいます。

 

ですから夏場になるとその田んぼの雑草を除去するワケですが…

 

オカムラ農産さんでは農薬を使用しない田んぼをはじめて数年は、家族総出で炎天下の田んぼに入って雑草を手作業で抜いていたそうです。

 

それも一回抜けば終わりではありません、雑草ですから。

 

夏草の成長の早さは尋常じゃありません。抜いても抜いても生えてきますし‥

想像するとなんと手間と労力のかかること!!

 

 

「これは大変やなぁ」と思っていたある時に、合鴨農法※というアイガモのヒナを放流して生えてくる雑草を食べてもらう方法があると知人から聞き、やってみようと思われた、とお話下さいました。

 

 

※合鴨農法…日本には平安時代頃に中国大陸からアヒルやアイガモが渡来し、日本でも家禽として定着した。安土桃山時代には除虫と番鳥を兼ね、豊臣秀吉が水田でのアヒルの放し飼いを奨励したとされる。(Wikipediaより)

いざ!合鴨ちゃんの田んぼへ…

お話を聞かせていただいていた場所から5分ほど歩くと、合鴨農法の田んぼに到着です。

 

赤いトンビの凧は「カラス除け」。
まだヒナのアイガモをカラスが襲ってしまわないように見張り番としてビュンビュン飛んでいます。アイガモちゃんを守る為に、知恵を絞ってこの方法に至ったそうです。
合鴨農法をはじめて4回目、「この子たちを見るのが癒しになってるわぁ」と近所の人たちから声を掛けてもらうことが多くなったと岡村社長。
手作業で雑草を抜いていた頃は、農薬を使わずお米を作っていることを周りの農家さんも誰も知らなかったそうです。
アイガモちゃんが泳いでいることで関心を持ってくれる人が増えた、農薬を使っていないことが見て分かる、「見える化」が大事だとお話くださいました。
”ぎゃんわいい〜〜〜〜!!!!”
”ぎゃんわいい〜〜〜〜!!!!”

居ます!居ます!!アイガモちゃん。

 

念願のごたいめ〜ん!!!よっ!!待ってました!!!

 

「お陰様でいつも美味しいお米をいただくことができています。今年も雑草いっぱい食べて良いウンチをいっぱいしてね」

 

とアイガモちゃんたちにご挨拶。

 

岡村社長が手を叩くと「グワッ グワッ グワッ」と鳴きながら一斉に集まってきます。

毛並みの白い子はアヒルちゃん。アイガモちゃんとともに即戦力として田んぼを泳ぎ回ります。

 

体が大きい子がリーダーとなるそうで、アヒルちゃんが統制を取っています。
岡村社長いわく、
「今年はみんな仲が良いですわ。毎年突かれたりしていじめられる子が出るんやけど今年は仲良いんですよ」
とのこと。
田んぼの雑草にプラスして、鳥用の飼料にオカムラ農産さんで育てられた麦を混ぜたものを食べているそうです。

ここでもアイガモちゃんたちを見ながら、リアル質問タイム。

 

実際に合鴨農法を前にすると聞きたいことが続々と出てきます。

 

 

「この田んぼで30kgの米袋何個分収穫できるんですか?

「肥料は足さなくて大丈夫なんですか?」

「どのくらい成長するまでアイガモちゃんは田んぼに居るんですか?」

 

などなど…

 

 

収穫できるお米の量は、このアイガモちゃんの田んぼで”60袋程度”という回答に、

 

「うちの家族で食べ過ぎてる…!すいません。もっと大事に食べます!!」

 

と、驚きを隠せない様子のNさん。

 

わ、私もです…。

 

田んぼを目の前にして、直接かけられている労力や知恵を前にすると、玄米の粒の一つ一つまで噛み砕いていただこう!と自然に気持ちが湧いてきます。

この写真に納まっている一面が合鴨農法の田んぼです
この写真に納まっている一面が合鴨農法の田んぼです

次に農福連携事業のハウスを見学

再び会社に戻ってから見せていただいたのは野菜ハウスです。

障がいのある人たちにちゃんと"自分たちでお金を稼ぐ"ことをしてもらえたら、と農業と福祉が連携して取り組む事業を新たにはじめられました。

 

 

「ずっとやりたいと思っていたことの一つです。農家として福祉に貢献できないか、と思っていたんでね。ようやく実現できることになりました」

 

 岡村社長の想いがカタチになります。

 

 

「そうしたら親御さんもやっぱり安心される」と、そうお話くださいました。 「みんな一生懸命やってくれやるんですよ」と事務も担当されている岡村社長の義妹さん。(いつも注文の際に電話で対応くださる方です!)

 

 

そうそう、このハウスでは4月頃にお米の種まきが行われていました。

 

ハウスの中で種からお米の苗を育て、ある程度の大きさになった所でみんなで担いで車に乗せて、田んぼへと移動し田植えとなるわけです。

 

入れ替わりで育てられているのはトマトをはじめとした夏野菜たち…

 

ハウスも休みなし!

オカムラ農産の皆さんも休みなし!です。

更にこのまま質疑応答

スーパーなどで出回っているお米はどんなルートを辿っているのか、

袋に書かれる表示にはお米の実態をどこまで記す義務があるのか、

一等米と二等米の違いやその検査方法など…

 

日常の中でちょっと気になりつつスルーしていたあれやこれやをじゃんじゃん質問させてもらうワケですが…

 

 

どんな質問にも「何も隠すこと無い!」と言ってお答え下さいます。

岡村社長がいつもおっしゃる言葉でとても憧れるお姿です。

 

 

「“農家の食べるお米”、“流通に回すお米”と言うのをよく聞くと思うんですけど、私どもは自分たちが食べて美味しいと思うお米をそのまま皆さんにも食べてもらいたいんです」

 

これも岡村社長の想いです。

 

 

「お米でつながる輪」と書かれたオカムラ農産さんのお米袋、となりに書かれた文章から緑の文字を繋いでいくと「みんな家族」が浮き出てきます。

 

 

その信念を持って大事により良いものを、と育てられたお米を届けてくださっています。

最後はみんなで集合写真をパシャリ!!
最後はみんなで集合写真をパシャリ!!

身近にお話が聞けることに参加者の皆さんの感動やワクワクは冷めませんが、名残惜しくお別れのとき。

 

 

 

すると…

 

「これお土産に持って帰ってください」

 

と合鴨米と収穫したばかりのたっくさんの玉ねぎを参加者一人一人に(子どもたちにも!)くださいました!

農家さんにとって忙しい時期にお邪魔したにも関わらず、

 

「こうして直接話しさせてもらえることが有難い」

 

と貴重な時間をたっぷり半日も使っていただいた岡村社長はじめスタッフの方々。

 

改めて、本当に有難うございました。

 

 

岡村社長のお祖母様は、朝からお赤飯を炊いて握ってくださったとのこと。こちらも一人一人に持たせてくださいました。

 

このお漬物も自家製です。

美味しかった~!ご馳走様でした!
美味しかった~!ご馳走様でした!

おなかの学校の企画「オカムラ農産さんの田んぼ見学」にご参加いただいた皆さま、有難う御座いました!

 

 

6月19日月曜には、ZOOMにてこの日の報告会を配信します。

 

会員限定となりますので、詳しくお話を聞いてみたい!という方がいらっしゃいましたらどうぞ「おなかの学校」へ一度ご連絡を下さい。

 

 

また、おなかの学校では今回のような企画を不定期で開催しております。

 

企画・イベントは単発での参加も可能ですので、ご感心ある方はSNSをチェックしておいていただけると嬉しいです。

 

 

 

池田参尽

 

おなかの学校Facebook

おなかの学校Instagram

(ともにアカウントは@onakanogakkouです)

 

 

参加者皆さんからのお声

参加者の皆さんからのフレッシュな声を掲載させていただきますので、是非ご覧下さい!

 

※皆さんから掲載許可を頂いております

 

 

・おなかの学校会員N.Yさん

昨日はお世話になり、本当にありがとうございました!
おかげさまで甲賀を満喫しました。帰宅してからも、合鴨の様子、田んぼ、オカムラ農産さんのご家族、甲賀の空気、土、琵琶湖の地理など、話のつきない食卓となりました。
頂いたお米や玉ねぎは、友人に分けて、また話のタネにしたいと思います。
・おなかの学校会員T.Iさん
アイガモが「見える化」で、既にやっている無農薬、減農薬、減化学肥料ということをより分かってもらう為の答え、ということがとても関心しました。
アイガモが脱走して追いかけ捕まえたり、カラスにやられたり、さらわれたり、失敗したことを面白く可笑しくお話してくれていましたが、新しい取り組み挑戦で試行錯誤や次から次と起こる問題があっても進まれて行かれていることに勇気をもらえました。
・一般参加K.Nさん
今日は素敵なお時間をありがとうございました!
ランチも美味しく、酒蔵も素敵で梅酒や甘酒まで購入してきました。
そして、おかむら農産さんは、かなーり興味深く、勉強になりました!!かじりついて質問してすみません。
とても魅力的な社長さんと、ビジョンに、パワーをもらいました!!
そして、わごいちに通われている方はどの方も素敵ですね。
やはり、スタッフの方々が素敵だとそうなるんですね。
ほんとに、素敵な企画に参加させていただきありがとうございました!今後ともよろしくお願いします。
・一般参加M.Tさん
ありがとうございました。ご家族含めてオカムラ農産さん全体に癒され楽しい時間でした!
オカムラ農産さんが大切にそだてたお米をいただけることに感謝。
沢山のおみやげと美味しいお赤飯がありがたかった。子どもがお漬物もおいしい!と。
かわいいアイガモちゃんの命が短いのがショック。毎年入れ替えなければならないとは…無農薬栽培のために飛べないように品種改良した生命を使っている?色んな方面から見ることの大切さを痛感。
・一般参加S.Iさん
現在の合鴨農法に至るまで何度も合鴨の被害に遭われながらも、その都度試行錯誤されてようやくお米が収穫出来るまでに至った経緯にとてもオカムラ農産さんの熱意と努力を感じました。
色々なものがカンタン手軽に手に入る現代にモヤモヤを感じていましたが、今回このような貴重なお話を直接聞けてありがたいと同時に嬉しかったです。
また今回の体験を少しでもまわりの人に話していく事で一人でも多くの方に食の大切さが伝わればいいなと思いました(まずはお米から!笑)
そんな想いを馳せながらお土産に頂いた合鴨のお米を大事にいただきたいと思います。
また野洲川の源が鈴鹿の山と聞き、調べてみたところいつも登っているホームグラウンドである御在所岳だと知り、これもご縁かなぁとまたさらに嬉しくなりました。
・一般参加A.Kさん
今回は貴重な機会を頂戴して、本当にありがとうございました。
他でお世話になっている方が丹波でお米を作られているのですが、
世間では農薬使うなんてけしからん!!と簡単にいうが、じゃあ実際に炎天下の中、地道に草むしりした経験のある方がどれだけいるのか。。。
口で言うだけと、実際にやるのでは全然違うと言われていましたが、先日お話をお伺いして、その言葉を実感として感じることが出来ました。
もう35年もキャリアがあるのに、まだまだと言われていた心構えには脱帽でした。
・おなかの学校会員A.Iさん

この度は、オカムラ農産さんへの現地研修会に参加させていただき、ありがとうございました。

このような機会を作ってくださり、おなかの学校の先生方はじめ、オカムラ農産の皆様に心より感謝いたします。
以前にオンサロ内で先生方のお話を聞かせていただいていたものの、社長の岡村さんのお顔を見ながら聞くお話、アイガモちゃんたちの動き回る様子、田んぼ、畑を見せていただき、改めて直接出向き会うことの大切さを実感しております。
岡村社長の包み隠さず話されながらも謙虚な姿勢と笑顔、あけみさんの柔らかくふんわり包みこむ雰囲気。こんな風になれたらいいなぁ、という憧れにも近い気持ちが湧いてきました。
農家が食べているものを皆さんにもそのまま届けたい、というお気持ち。自分たちさえ良ければいい、という考えは一切ない、オカムラ農産さんの誠実さが聞けば聞くほど伝わってきました。
その誠実さや思い遣りの気持ちが、『誰にでもやれることはある』という農福連携にも繋がるのかなぁ、と感じました。
アイガモ農法…合鴨ちゃんが可愛く田んぼを泳ぎ潜る姿を思い浮かべながら、合鴨ちゃんがいれば農薬も肥料も使わず、環境にも人にも優しい美味しいお米ができる、合鴨ちゃんさえ田んぼにいればすべてうまくいくんだ、ぐらいにとても安易に考えていた自分が恥ずかしくなりました。
食べる人の体のことまで考えられている強い想い、農薬化学肥料は極力抑えて作ろうとされていることをわかりやすく『見える化』するために導入されたアイガモ農法。
毎年違う困難が次から次へと起こりながらも、諦めず続けてこられたこと、伝えることの大切さ、その伝え方の工夫。
芯があってこそ粘り強く、考え続け行動することの大切さ教えていただきました。
今でこそ、お野菜に生産者さんの名前が書かれていたり、お写真があったりというのが当たり前になりつつありますが、もう少し突っ込んでその生産者さんのことを知る、ここだから大丈夫と簡単に安心してはいけないんだな…と、道の駅のお話より(笑)
受け身なだけではなにも知らないままで、大切なものを残していけないと思うので、買う側がしっかり選び、想いを持って誠実に頑張ってくださっている生産者さんを応援し、そこから買わせていただく。
そしてこんな素敵な農家さんがいるんだよ!と身近な人に伝えていくことが、これからの未来に大切なものを残していくために私ができる小さな一歩なのかな、と思いました。
まだまだお話くださったことは沢山ありますが、皆さんの感想もまた拝見しながら振り返っていきたいと思います。

オカムラ農産さんの詳細

・住所

〒528-0052

滋賀県甲賀市 水口町宇川2500

 

代表取締役社長 岡村久悦さんのご挨拶ページ

 

・電話 0748-63-4190

・FAX 0748-63-4359

 

※注文はお電話もしくはFAXのみでの受付です。

(農作業や精米、発送作業などお忙しい合間で対応くださっています!ー池田談ー)

名残惜しく帰り道に会いに行ったアイガモちゃん
名残惜しく帰り道に会いに行ったアイガモちゃん