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わごいちの作り方⑫わごいち独自技術のつくり方

 時々皆さんから尋ねられること。「先生、この施術はどこかで学ばれたのですか?」整体マニアの人たちも初めて受けるわごいちの施術に興味深々。しかも結果がでる。内臓でも筋肉でも関節でも目でも鼻でも、ほとんど全身の症状が良くなっていきます。こういう技術、施術はどこから来たんだろうと不思議なんです。

 

 ほぼ全ての施術は私の考案、発明です。特に手技は99%そうですね。ベースとなる技術は櫻井寛先生から習った丹力(たんりき)ですが、20年超の間、改良を重ねていくことで、全く違う技術になりました。

 

少し余談になりますが、櫻井寛先生の思い出話をしましょう。ある腰痛の女性が施術を受けに来られました。櫻井先生は一通り丹力治療を施された後、最後にこうアドバイスされたのです。

「もう来なくていいから、これから〝よつんばい〟で暮らしなさい」と。言われた方はキョトンとして帰っていかれました。

 

 櫻井先生はいつもそのようなスタイルでした。大体決まった流れの丹力治療をし、最後に「よつんばいで腰を丸くして生活すれば万病も治る」という話をして帰します。果たしてその後どうなったのでしょう。無事に良くなられたのか、納得できずに違うところに通われているのか、それは確かめようもありません。

 

 整体院を開業した時、私は違うやり方にしようと思いました。通ってくる人はとにかく痛みや苦しみを減じたいわけだし、できれば「先生に治してほしい」したいわけですから、とにかく施術で明快な結果を出すことを自分に課したのです。

 

 はじめは便秘と生理痛から取り組みました。しかし便秘が治る整体ノウハウなど誰も持っていませんから、自分で考えるしかありません。どこをどう揉めばいいのか、一生懸命揉みながら原因を探し、その原因を直す施術法を考案する。あの手この足、頭もフル回転で直し方を作ってきたのです。気がつけば漏斗胸や糖尿病まで施術し改善する、唯一無二の整体院になりました。

 

 人は私のことを整体の天才と言います。でも本当は誰よりも頭を使っているだけだと思います。私はこう思うのです「身体は問題集だ」と。身体は私たちに「この症状を治してみよ」と問題を与えてくれる。同時に答えも必ず用意してある。懸命に考えて手足を尽くせば、身体に隠された答えにたどり着ける。たどり着けないのは努力不足、探求不足なだけ、と信じているのです。

 

 そのように考えてこれまで身体に向き合い、一つ一つ問題の解法を積み重ねて、わごいち独自技術ができてきました。でも解けていない問題もまだあります。これからもコツコツ頭を使って努力していくしかないと思っています。(つづく)

 

 

 

三宅弘晃